神道のお盆

仏教徒の多い日本人の中には、神道もお盆があるのか? と思っている人もいるかもしれません。現に私の知人も、「神道の人はお盆は何もしないと思ってた。仏教徒の人だけかと思ってた」というくらいですから、まあまあの人がそう思っているかもしれません。

仏教のお盆の中でも書いたように日本には古来からの先祖崇拝がありました。それと神道も密接な関係があると考えられます。昔の習わしと眞藤が習合されているものもあります。

神道にはいろいろな祭りや儀式があります。仏教では人な亡くなくなると初七日とか四十九日といった法要が営まれると同じように、神道の人が亡くなると十日祭、五十日祭といった死者を供養するお祭りがあります。

亡くなった人の霊は祭られ鎮められると、祖霊として神様(氏神)になると信じられています。神は家族や集落の人々を守るということも考えられます。

その祖霊の大切な儀式の中でも「お盆」というのは重要な行事の一つです。時期としては新暦の7月に行うところと、月遅れの旧暦の8月に行われるところがあります。これも仏教と同じですね。

お盆の前には各家庭では供物を捧げる盆棚を造り、祖霊を迎える準備をします。祖霊を迎える時には仏教と同じように火を焚きます。火というものは神聖なもので清められると考えられていました。黄泉の国から祖霊を迎え祭詞をし,三日くらいでまた黄泉の国に帰っていきます。

夏には日本全国でお祭りの多い時期ですが、このお祭りも元はと言えば、御霊信仰の祭りが全国に広がったものとして考えられています。祖霊を祭る儀式としておこなわれていたのです。祖霊を慰めるためのものですから派手な山車や行列・踊りなどが多いのも特徴です。京都の祇園祭は特に有名なものですね。山車というのは霊の依代であるといわれています。

このように日本のお盆には先祖を祭る(神霊を慰める)、供養する(仏教徒の場合)意味があります。宗教は違えど、同じように先祖に対する思いがそこにはあると言えるでしょう。
私たちが今生きているのも、先祖があってこそ生かされているのです。突然自然の中から生まれてきたものではないのです。お盆の時期に、もう一度、先祖や家族のことを考えたり思いやるのもよい子ではないでしょうか。

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